長野県北部では、夏になると「やたら」という郷土料理が食卓に並びます。
どの家庭にもある材料で簡単に作れて、夏バテ防止が期待できる料理です。おいしい食べ方もご紹介するので、ご家庭でもぜひ試してみてください。
やたらってどんな料理?
やたらは長野県北部に伝わる郷土料理で、夏野菜が主役のおかずです。
庭の畑で獲れるきゅうりやなす、みょうがを刻み、大根の味噌漬けと唐辛子で味を付けたやたらは、北信濃の夏の定番メニューとして親しまれてきました。
みょうがや唐辛子の辛味と味噌漬けの塩気が、暑い時期でも食欲をそそる一品です。
不思議な名前の料理ですが、その由来には「家にある野菜をやたらと入れるから」、「やたらとご飯が進むから」など様々な説があります。
やたらが夏におすすめな理由
食欲アップ
暑さで食欲がなくなりがちな夏に十分な食事をとるには、食欲の増すものを積極的に食べるのがおすすめです。
やたらに入っている唐辛子やみょうがは食欲増進に効果的だといわれています。唐辛子の辛味成分であるカプサイシンや、みょうがの香り成分とされるαピネンが、消化器官と脳の空腹中枢を刺激するためです。
さらに、やたらはさっぱりとした口当たりで食べやすさもあります。夏野菜の歯ざわりとみずみずしいのど越し、そして程よい辛味で、暑い時期も無理なく食べられるのがやたらです。
体を内側からクールダウン
やたらに必ず入れる夏野菜、きゅうりとなすには体にこもった熱を逃がす働きが期待できます。
きゅうりやなすに豊富なカリウムには体内のミネラル濃度を保ち、余分なナトリウムは排出する効果があります。不要なナトリウムを水分と一緒に体外に出すと体の熱も逃げ、クールダウンができるのです。
また、唐辛子に含まれるカプサイシンや、みょうがのαピネンには発汗作用があります。
汗をかくことでも体内の熱が逃げ、暑さでほてった体を冷ましてくれます。
体にこもった熱は、夏バテ特有の疲労感やだるさの原因のひとつです。かといって冷房に頼りすぎては体に負担がかかってしまうので、食べ物で内側から冷やすことを意識しましょう。
弱った胃腸にも効果的
夏場は冷たいものをとる機会が増えるため、胃腸が弱りがちです。やたらには弱った胃腸の働きを取り戻す効果も期待できます。
効果的な食材は唐辛子とみょうが、そして味噌漬けです。
唐辛子に含まれるカプサイシンとみょうがのαピネンは、血行を良くすることが分かっており、消化器官を活性化させるのにも役立ちます。しかし、食べ過ぎると胃腸に負担がかかりすぎてしまうので注意が必要です。
また、味付けに使う味噌漬けも、消化器官のサポートに一役買っています。味噌漬けに含まれる乳酸菌には、腸内の悪玉菌を減らして消化を促す効果が期待できるためです。
やたらの楽しみ方
夏に嬉しい効果が満載のやたらは、家にある材料で簡単に作れます。基本的なレシピはありますが、冷蔵庫の中身によって自由にアレンジしてみましょう。
STEP ① なすをみじん切りにして、塩水にさらしアク抜きをする
STEP ② きゅうり・みょうが・唐辛子・大根の味噌漬けをみじん切りにする
STEP ③ なすの水切りをして②に混ぜ合わせる
オクラやピーマン、トマトを追加したり、味噌漬けの代わりにたくあんやぬか漬けを入れたりするのもおすすめです。醤油やかつお節を追加すると、さらに豊かな風味が楽しめます。
やたらはご飯だけでなく、そうめんや冷ややっこなど夏の定番メニューとも相性抜群です。自分好みにアレンジしたやたらを食べて、暑い日も元気に過ごしましょう。
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