長野県を代表するご当地グルメといえば、そばが挙げられます。良質な水と冷涼な気候から、信州では古くからそばの栽培が行われてきました。
また、そばは健康に良いことでも注目される食材です。今回は、その理由を解説するとともに、長野県ならではの健康的なそばの食べ方についてもご紹介します。
そばが健康食品といわれる理由
そばは、ご飯やパンと同じ炭水化物に分類されます。健康やダイエットのことを考えると、炭水化物にはあまり良い印象がないのではないでしょうか。
しかし、そばには生活習慣病予防やダイエット効果が期待されています。主な理由は、GI値の低さとルチンです。それぞれの特徴や効能について、チェックしてみましょう。
GI値が低い
そばは低GI食品であることが分かっています。
GIとは、食後の血糖値の上昇度を示す値です。GI値が高い食品ほど、血糖値は急激に上昇します。
血糖値が上がると、それを下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。このホルモンが、肥満や糖尿病、高血圧の一因だと考えられています。
しかし、血糖値の上昇度が下がると、インスリンの分泌も緩やかに。低GI食品を積極的に食べて、インスリンの分泌量やタイミングを正常に保つことが、生活習慣病の予防に繋がるのです。
そばのGI値は、54～59程度。白米の70～75に比べると、かなり低いことが分かりますね。
ルチンが含まれる
そばを健康食品といわしめているもう一つの理由が、ポリフェノールの一種であるルチンです。
ルチンは血管をしなやかに保ち、血の巡りをスムーズにする働きがあります。そのため、脳梗塞や心臓病などの血栓が原因となる疾患の予防効果が期待できます。
また、強力な抗酸化作用があるのもルチンの特徴です。脳細胞の酸化を防いで健やかに保つことから、認知症予防にも繋がるといわれています。
1日に摂取するルチンの目安量は、20～30mg。ちょうど、そば1人前に含まれる量と同じくらいです。
長野県に伝わるそばの食べ方
体に嬉しい効果がたくさんあるそばですが、栄養バランスの面では完全とは言い切れません。ビタミンやタンパク質を補いながら食べることが大切です。
長野県では、古くから様々なアレンジをしてそばを楽しんできた地域です。そこでここからは、美味しくて栄養のバランスも整えられるそばの食べ方をご紹介します。
きのこそば
長野県はきのこの名産地でもあります。地元で採れたきのこをふんだんに使ったそばは、一般的なそばつゆとは違ったダシが効いています。
そばはのど越しが良いため、噛む回数が少なくなりがちです。
しかし、シャキシャキとした歯応えのあるきのこが入っているので、よく噛んで食べられます。
さらに、そばにはないビタミンBを補完できる点もきのこそばの嬉しいポイントです。ビタミンBは糖質の代謝を助けるので、そばから摂った炭水化物が素早くエネルギーへと変わります。
高遠そば
※ 画像出典：
一般社団法人 伊那市観光協会 公式ホームページ
長野県南部の高遠町では、大根おろしの搾り汁に焼き味噌を溶いたつゆでそばを食べる、高遠そばが有名です。
辛味大根を使うのが一般的なので、ピリリとした味わいが特徴。大根の辛みが、そばの甘みを引き立てます。また、大根に含まれるビタミンCと、そばに豊富なルチンは相性抜群。
ルチンがビタミンCの吸収を助け、美肌効果や免疫力アップが期待できます。
とうじそば
※ 画像出典：長野県公式観光サイト
とうじそばは、松本市の郷土料理です。
茹でたそばを、竹で編まれた「とうじかご」に入れ、アツアツの鍋でしゃぶしゃぶのように温めて食べます。
鍋は醤油ベースのつゆが一般的で、鶏肉や野菜がたっぷり。そばだけでは偏りがちな栄養を、しっかりと摂れる料理です。
信州そばは美味しくて体に優しい！
ご当地グルメでありながら、体にも嬉しい効果が満載の信州そば。
素朴な味を楽しめるざるそばも良いですが、地元の食材がたっぷり入った食べ方もおすすめです。
長野県では10月下旬から11月にかけて、新そばの時期を迎えます。香り豊かでのど越しも良いそばが味わえるので、ぜひ食べてみてくださいね。
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