熊本県のお土産といえば、天草陶磁器や陣太鼓などを思い浮かべることでしょう。どちらのお土産もあまりに有名ですから、知らない人はほぼいないかもしれませんね。
ほかにもあらゆる商品がありますが、今回は江戸時代からつたわる熊本のグルメ「からし蓮根」をご紹介します。
からし蓮根は地元の人が口にしているほか、観光客からも注目されている健康食材です。具体的にどのような食べ物なのかチェックしましょう！
辛味と食感がクセになる！？からし蓮根とは
画像を見ると、レモンの輪切りによく似た食べ物がお皿にのっています。これがまさに熊本の名物「からし蓮根」です。作り方はいたってシンプル。まず蓮根の穴にからしと味噌をまぜあわせたものをいれて、そのあと外側の部分に小麦粉と卵黄が入った衣をつけて油で揚げます。
フライドされた蓮根の軽い食感と、からし味噌の風味がクセになる逸品です！
ひと昔前までからし蓮根は、庶民がなかなか食べられるものではありませんでした。
しかし、いまではおつまみや弁当のおかずなどとして広く親しまれています。
からし蓮根がお殿様の病気を治した！からし蓮根物語
森からし蓮根有限会社のホームページ に、からし蓮根にまつわる物語が掲載されていました。
ここではそのお話をかいつまんでご紹介します。
いまから400年以上も前の安土桃山時代のことでした。熊本県の藩主・細川忠利は、日頃から病弱なことにたいそう頭を悩ませていたのです。その様子を見てふびんに思った玄宅和尚は、忠利公に「栄養価の高い蓮根を召しあがってみてはいかがだろうか」とすすめます。
そこで細川藩の賄方（読みはまかないかた。いまでいう料理人）をしていた平五郎が呼ばれ、蓮根を使った料理を作るよう命ぜられました。悩みに悩んだあげく、ようやく完成したのがまさに「からし蓮根」だったといいます。
平五郎はさっそく忠利公のもとへ行き、料理を食べてもらうことにしました。
からし蓮根を口にした忠利公は「これはおいしい！」と、ずいぶん気に入ったご様子。そして毎日からし蓮根を食べるようになりました。すると病気がちだった忠利公の体は、たちまち丈夫になったそうな！
からし蓮根を考えた平五郎は、細川藩から感謝の気持ちとして褒美をたんまりもらったといいます。
（出典 / 参考：森からし蓮根有限会社HP からし蓮根物語）
からし蓮根には、病気がちのお殿様がすっかり元気になるほどの栄養がつまっているのですね。
最近日に日に寒さが厳しくなっていますから、筆者もからし蓮根を食べて健康を維持したいものです！
体にとって嬉しい成分がたっぷり！からし蓮根の栄養価は？
江戸時代から人々の口にされている、からし蓮根。具体的にはどのような栄養素が入っているのでしょうか。からし菜と蓮根の栄養についてまとめました。
高血圧予防に効果的！からし菜
からし菜にはカリウムが豊富にふくまれています。この成分は、ナトリウムを外に排出する働きがあるほか、高血圧予防に最適です。それ以外にもカルシウムやマグネシウム、リン、鉄分などバランスよく栄養素がつまっています。
また葉酸（*胎児が大きく成長をとげるためにたくさん必要になる成分）を多くふくむ食材のため、葉酸が不足しがちな妊婦さんにとってもおすすめの野菜です。
免疫力アップや消化を手助けする！蓮根
蓮根を食べるとビタミンCやカリウム、食物繊維を摂取することができます。ビタミンCは免疫力を高めるのに効果的ですし、髪や爪などをつくるコラーゲンの生成に不可欠な栄養素です。
ほかにも蓮根は、腸の動きをととのえたり肥満予防に効果的だったりと、非常に優秀な食材といえます。
まとめ：熊本県の特産品『からし蓮根』とは？ 関連する物語や栄養などをご紹介
熊本県の特産品「からし蓮根」についてのお話でした。
まずもって、からしと蓮根を使った料理を思いついた昔の人に脱帽です。筆者はリサーチするまで、からし蓮根についてなにも知りませんでした。ですがこれを機に食べてみたいなと思いました！
みなさんもご一緒にいかがですか？
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