春の味覚のひとつであるたけのこ。日本での主な産地は九州地方ですが、今回ご紹介するのは京都府で古くから栽培されている京たけのこです。
京都府のブランド野菜となった理由から、体に嬉しい栄養素のことまで、たっぷり解説します!
京たけのことは?
京たけのこは、京都府の伝統野菜のひとつです。旬は4月上旬から5月上旬の、わずか1か月。春にしか食べられない、まさに珍味といえるでしょう。
京都府のなかでも、特に長岡京市で栽培されたものが有名です。そのほかに、向日市や京都市でも生産されています。
普通のたけのことの違い
たけのこといえば、円錐型で茶色い皮の付いたものを想像する人が多いですよね。京たけのこも見た目は同じで、孟宗竹(もうそうちく)という種類に分類されます。では、京たけのこと一般的な孟宗竹は何が違うのでしょうか?
ひとつは、その栽培方法です。
京たけのこは藁を敷いたり肥料を管理したりと、伝統の方法で手間暇をかけて育てられます。これは京都に孟宗竹が伝わったときから、先人たちが試行錯誤を重ねて編み出した栽培方法です。
京都にたけのこが持ち込まれたのは平安時代という説がありますから、かなり古い歴史があることがうかがえますね。
もうひとつは、京たけのこの味です。
独自の手法で育てられたたけのこは、天然のものよりも柔らかいのが特徴。さらに、苦みやエグみも少なく、新鮮なものであれば生のまま食べられるそうですよ。
体の調子を整える成分がたっぷり!
京たけのこだけでなく、たけのこには食物繊維やアミノ酸が豊富に含まれています。ここからはそれぞれの働きや、摂取するメリットなどをご紹介しましょう。
食物繊維で腸内を掃除
独特な歯ざわりからも分かるように、たけのこには食物繊維が豊富です。茹でたたけのこ100gあたりに含まれる食物繊維量は、3.3g。そのうちの2.9gが、不溶性食物繊維です。(参考:食品成分データベース)
不溶性食物繊維のなかでも、たけのこにはセルロースが豊富です。水に溶けにくい性質を持つセルロースは、腸内で膨らみます。これによって腸が刺激され、老廃物の排出が促されます。そのため便秘の改善に効果が期待できますよ。
ホルモン分泌を促すチロシン
たけのこを茹でたときに、白い粒が出るのを見たことはありませんか?これはチロシンというアミノ酸の一種で、もちろん食べられます。
チロシンの特徴は、成長ホルモンの分泌を促すこと。成長ホルモンは体内の代謝効率もアップするので、ダイエットや肌の調子を保つのにも欠かせません。さらにチロシンはドーパミンの分泌にも関係しており、やる気や集中力アップにもつながります。
さまざまな役割を持つグルタミン酸
うま味成分として調味料などに活用されるグルタミン酸も、たけのこに多く含まれています。グルタミン酸は体内でも生成できますが、さまざまな働きを持っているので積極的に摂りたいアミノ酸のひとつです。
主な役割として、アミノ酸の生成や腸のエネルギー源などが挙げられます。こうした役割は、健康的な肌を作るためにも大切。なぜなら、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸は、肌の保湿能力に関係しているからです。また、胃腸の不具合は肌に出やすいため、腸が活発に働いていることも重要な条件といえますね。
また、グルタミン酸はたんぱく質を構成するアミノ酸の一種でもあるため、体を鍛えたい人や成長期の子どもにも欠かせません。さらに脳内で情報を伝達する役割もあり、継続的にグルタミン酸を摂ることで脳機能の向上や認知症の防止も期待できますよ。
京都の春の味覚を味わってみよう
現代では、年中いつでも水煮のたけのこが手に入りますよね。しかし、旬の京たけのこは風味や香りが違うので、一度味わってみることをおすすめしますよ!
また、京たけのこは柔らかくてクセも少ないので、ぜひシンプルな調理法で食べてみてくださいね。

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