初夏の味覚として知られる、さくらんぼ。日本では、山形県が名産地として有名です。
ところで、さくらんぼは「おうとう」や「チェリー」などいろいろな呼び方をされていますよね。それぞれの違いを、あなたはご存じでしょうか？
今回は、そんなさくらんぼの名前の秘密やカロリーなどについてご紹介します。
さくらんぼの名前の秘密
さくらんぼの正式な名前は、おうとうです。漢字では桜桃と書き、文字通り「桜の木になる桃」という意味。また、おうとうという呼び方は、さくらんぼの実だけでなく木そのものを差すこともあります。
一方でさくらんぼは実だけを示す場合が多く、特に収穫したあとの状態で使われます。この呼び方の由来は諸説あり、一説には「桜の坊（こども）」がなまったといわれているそうです。
さらに、さくらんぼは英語でチェリーといいますよね。チェリーと聞くと、外国産のアメリカンチェリーを思い浮かべませんか？実はアメリカンチェリーだけでなく、輸入されたさくらんぼ全般を「チェリー」と呼び、国産のものと区別することがあります。それだけでなく、缶詰やジャムなどに加工されたものもチェリーと呼ばれることが多いそうですよ。
山形県が生産量ナンバーワン！
さくらんぼを日本でもっとも多く生産しているのは、山形県。2020年度の収穫量は13,000トンで、国内で生産されたさくらんぼの75％以上を占めます。（参考：果実生産出荷統計 農林水産省）
2位以降には北海道や山梨などがランクインしていることから、さくらんぼが涼しい地域で育つことが分かりますね。しかし、寒すぎてもダメなうえに、雨風にも耐えにくいデリケートな植物なので栽培が難しいといわれています。確かに筆者の実家でもさくらんぼの木を植えてみたことがありましたが、なかなか実がつきませんでした。やっと実がついたと思っても小さかったり酸っぱかったりして、思うようにいかなかった記憶があります。
このように栽培条件が厳しいからこそ、さくらんぼは希少で高級なフルーツのひとつ。赤くてツヤツヤとした見た目も相まって、「果樹園の宝石」といわれることもあるほどです。
さくらんぼのカロリーは？効能もチェック
さくらんぼは小さいながらも、栄養をたっぷりと含んだフルーツです。ここからは、栄養価の側面からさくらんぼの特徴を見ていきましょう。
カロリーは少し高め
生のさくらんぼのカロリーは、100gあたり64kcal。国産のものでもアメリカンチェリーでも、数値は大きく変わりません。
さくらんぼの仲間にあたるあんずは37kcal、桃は38kcalなので少しエネルギー量が多いことが分かります。甘酸っぱいうえにひと口で食べられるため、食べすぎには注意したいですね。（参考：食品成分データーベース）
貧血防止に効果的
貧血を防止・改善するのに効果的な栄養素といえば、鉄分ですよね。さくらんぼは、鉄分の含有量が果物のなかでもトップクラス。おやつやデザートをスイーツからさくらんぼに置き換えれば、間食でも鉄分補給ができるのでおすすめです。
また、さくらんぼには葉酸も豊富。葉酸は血液中のヘモグロビンを増やすほか、妊娠中の赤ちゃんの発育を助ける働きもあります。そのため、女性のなかでも妊娠中の人には特に大切な栄養素です。葉酸は熱に弱いので、生で食べられるさくらんぼからであれば効率的に栄養を摂れますよ。
疲労回復や美肌効果が期待できる
さくらんぼは、さまざまなビタミンとミネラルがバランスよく含まれているのも特徴です。ビタミン類は細胞を健康に保つ働きがあるので、免疫力アップや美肌効果が期待できます。
また、さくらんぼならではの程よい酸味のもとである有機酸も複数含まれています。有機酸は疲労回復を早めてくれるので、疲れているときやスポーツの前後に摂るのがおすすめ。
さらに、鉄分やカリウムといったミネラルも豊富です。特にカリウムは体内の余分な水分や塩分の排出を促す効果があり、血圧を下げるといわれています。膀胱炎をはじめとする泌尿器系の病気を防止することも分かっており、海外では生薬としても古くから重宝されています。
さくらんぼ1粒は小さく、含まれている栄養素も少しずつですが、一度にいろいろな栄養を摂れるのが嬉しいポイントですね。
読書とダンス、そして旅行に行っておいしいものを食べることが好き。
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