突然ですが、皆さんは栄養のある野菜といえば何を思い浮かべますか？
今回は、青森県で作られている「ほど芋」をご紹介します。マメ科の植物でありながら芋として親しまれているほど芋は、国内外で貴重なエネルギー源とされてきました。
そのユニークな味や歴史、そして充実した栄養素についてチェックしてみましょう！
豆と芋の中間のような不思議な食材
ほど芋は名前に反してマメ科の植物で、アピオスとも呼ばれています。日本の寒冷地を中心に栽培されていますが、生産量の大部分を占めているのが青森県。
植物としては豆の仲間ですが、食べるのは根っこの部分と芋に似た部分もあります。地中に伸びた根のところどころに、小さな塊根がいくつもできるのが特徴です。
また、日本にもほど芋の在来種がありましたが、現在栽培されているのは主に北アメリカから伝わった種類だといわれています。青森県では、なんと明治時代から作られているそうですよ。
栄養価の高さで注目されている
ほど芋は栄養価が高く、ヤーコン・菊芋に次ぐ世界三大健康野菜のひとつとされています。現在日本で栽培されているアメリカ生まれのほど芋は、現地でもインディアンのエネルギー源として食べられてきました。
青森県でも、妊娠中や子育て中の女性に体力をつけるための食材として親しまれています。特に昔は、娘が嫁ぐときに出産や子育てに備えて、母親がほど芋の種芋を持たせたという話もあります。
ほど芋は高い栄養価が魅力
ここからは、いよいよほど芋の具体的な栄養素についてご紹介します。ほど芋の栄養価の高さは、1食に4粒食べれば十分といわれるほど。ミネラルもバランスよく含まれており、老若男女に嬉しい効果が期待できますよ。
ハイカロリーでエネルギー補給に最適
ほど芋は100gあたり165kcalと、おにぎりに近いカロリーを含んでいます。これは、芋類のなかでもトップクラスの高さです。（参考：食品成分データベース）
ほかの炭水化物と異なるのは、パクッと食べられるひと口サイズのものが多い点。スナック感覚で、気軽にエネルギーを補給できるのが嬉しいポイントです。そのため運動の前後や育ち盛りの世代におすすめですが、食べやすい分ダイエット中の人は注意が必要です。
カルシウムが豊富
ほど芋には、さつまいもの倍以上のカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯など、体の基礎を作るのに欠かせない栄養素であることは有名ですよね。
それだけでなく、ホルモンバランスを正常に保って精神を安定させたり、けがをしたときに素早く血を固めて止めるのをサポートしたりする働きもあります。
また、現代の日本人は1日に必要なカルシウムが十分に摂れていない傾向があることも分かっているので、特に意識して摂取したい栄養素です。
食物繊維たっぷり
ゆでたほど芋100gに含まれる食物繊維は8.4g。これはじゃがいもの倍以上であり、さつまいもと比べると4倍近い値です。（参考：食品成分データベース）
さらにほど芋に含まれる食物繊維は、水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性がほぼ同じ量なのも特徴。便秘の原因はさまざまですが、2種類の食物繊維がバランスよく含まれているためどのタイプにもアプローチしやすいのが魅力です。胃腸のデトックスができれば、肌の調子が良くなったり免疫力が上がったりする効果も期待できますよ。
おすすめの食べ方
ほど芋はホクホクとした食感に加えて、小豆のような優しい甘みがあります。どの芋とも違った特徴的な味を楽しむには、シンプルな調理法が最適です。そのため、まずは塩ゆでや素揚げで味わってみてください。
生産地の青森県では、じゃがいもや里芋と似た使い方がされています。煮物や天ぷらで和風に調理したり、カレーやジャーマンポテト風にしたりしてもおいしいですよ。
また、皮にも栄養がたっぷり含まれているので、ぜひ皮ごと食べてくださいね。
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